【2026年7月】ツキノワグマの生息地マップ|都道府県別分布と出没リスクをわかりやすく解説

本州に生息するツキノワグマ
近年、日本各地でツキノワグマの出没が相次いでいます。ニュースで「住宅街にクマが現れた」「登山中に遭遇した」といった報道を目にする機会も増え、「自分が住んでいる地域にもツキノワグマはいるのだろうか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
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ツキノワグマは、本州と四国を中心に広く生息していますが、地域によって生息密度や出没リスクは大きく異なります。また、近年は山間部だけでなく住宅地や農地にも出没するケースが増えており、正しい知識を身につけることが重要です。
本記事では、ツキノワグマの生息地マップをもとに、都道府県別の分布状況や出没しやすい地域、出没が増えている理由、安全対策まで詳しく解説します。

上記のマップは、日本国内におけるツキノワグマの分布状況を地域ごとにまとめたものです。
- 緑:広く生息
- オレンジ:限定的に生息
- 灰色:野生個体は生息していない
北海道にはツキノワグマは生息せず、ヒグマのみが分布しています。一方、本州・四国では多くの山岳地帯に生息が確認されています。
ツキノワグマはどこに生息している?
ツキノワグマは、落葉広葉樹林や針葉樹林など森林環境を好みます。
特に
- ブナ林
- ミズナラ林
- 山岳地帯
- 渓流沿い
- 奥山
などが代表的な生息地です。
春から秋にかけては餌を求めて活動し、ドングリやブナの実が不作になる年は、人里近くまで移動する傾向があります。
東北地方は全国でも有数の生息地域
東北地方は日本でも最もツキノワグマの生息数が多い地域の一つです。
生息県
- 青森県
- 岩手県
- 秋田県
- 宮城県
- 山形県
- 福島県
特に奥羽山脈や白神山地では安定した個体群が確認されています。
近年は秋田県、岩手県、山形県を中心に住宅地への出没件数も増加しており、人身被害も発生しています。
関東地方でも出没は珍しくない
「関東にはクマはいない」と思われがちですが、それは誤解です。
実際には
- 栃木県(日光・那須)
- 群馬県(尾瀬・谷川岳)
- 埼玉県(秩父)
- 東京都(奥多摩)
- 神奈川県(丹沢)
- 茨城県北部
ではツキノワグマが生息しています。
近年では奥多摩周辺や丹沢山地周辺でも目撃情報が増えています。
一方、千葉県では野生のツキノワグマは確認されていません。
中部地方は広範囲に生息
中部地方は全国でも有数のクマ生息エリアです。
特に
- 長野県
- 岐阜県
- 新潟県
- 富山県
- 山梨県
では広範囲に生息しています。
北アルプス・中央アルプス・南アルプス周辺では登山者が遭遇するケースもあり、熊鈴や熊撃退スプレーの携行が推奨されています。
近畿地方・中国地方・四国地方の分布
近畿地方では
- 京都府
- 兵庫県
- 奈良県
- 和歌山県
- 滋賀県
- 三重県
に生息しています。
中国地方では
- 鳥取県
- 岡山県
- 島根県
- 広島県
に分布しています。
山口県では現在、野生個体群はほぼ消滅したと考えられています。
四国では徳島県・高知県・愛媛県の山岳部にごく少数が生息しており、西日本地域個体群として保全の対象となっています。
生息していない都道府県
現在、野生のツキノワグマが生息していない地域は次のとおりです。
- 北海道(ヒグマのみ)
- 千葉県
- 香川県
- 九州全域
- 沖縄県
ただし、一時的な移動個体や飼育個体とは区別されます。
なぜツキノワグマの出没が増えているのか
近年、全国的にクマの出没件数が増加しています。
主な理由として、以下が挙げられます。
木の実の不作
ブナやミズナラなどの堅果類が不作になると、餌を求めて人里へ移動することがあります。
人口減少と里山環境の変化
里山の利用が減少し、人の活動が少なくなったことで、クマの行動範囲が人家近くまで広がるケースがあります。
放置果樹・家庭菜園・生ごみ
果樹や家庭菜園、生ごみはクマを誘引する大きな要因です。一度餌を得た場所を記憶すると、繰り返し出没することがあります。
個体数の増加
地域によっては保護政策や狩猟者の減少などを背景に、ツキノワグマの個体数が増加していると考えられています。
ツキノワグマに遭遇しやすい場所
次のような場所では特に注意が必要です。
- 登山道
- 林道
- 山菜採りの場所
- 渓流釣りポイント
- キャンプ場周辺
- 果樹園
- トウモロコシ畑
- 生ごみ集積所
- 河川敷
早朝や夕方は活動が活発になるため、より警戒が必要です。
ツキノワグマに遭遇したら
万が一、ツキノワグマを見かけた場合は、以下の行動を心がけましょう。
- 大声で刺激しない
- 子グマには近づかない
- 写真撮影を優先しない
- 背中を向けて走らない
- 落ち着いてゆっくり後退する
- 安全な場所へ避難し、自治体や警察へ連絡する
山へ入る際は熊鈴や熊撃退スプレーを携行し、単独行動を避けることも重要です。

まとめ
ツキノワグマは、本州と四国を中心に約34都府県で生息が確認されており、特に東北地方、中部地方、関東北部では広く分布しています。近年は森林だけでなく住宅地への出没も増加しており、日常生活やレジャーにおいても注意が必要です。
出没リスクを減らすためには、自分の住む地域や訪れる場所の生息状況を把握し、自治体が公表する最新の出没情報を確認することが重要です。また、家庭では生ごみや果樹の管理を徹底し、クマを誘引しない環境づくりを心がけましょう。
ツキノワグマは本来、人を積極的に襲う動物ではありません。しかし、不意の遭遇や餌付けにつながる環境は、人とクマの双方にとって危険です。正しい知識と適切な対策を実践することが、安全な共生につながります。
注釈
※1 本記事の生息地情報は、環境省が公表する「特定鳥獣保護・管理計画」、各都府県のツキノワグマ管理計画および出没情報をもとに整理しています。
※2 「生息」とは、野生個体群が継続的に確認されている地域を指し、一時的な目撃情報や飼育個体は含みません。
※3 山口県では野生個体群は極めて少なく、地域個体群は絶滅のおそれが高いとされています。
※4 四国のツキノワグマは西日本地域個体群として保全の対象となっており、生息数は非常に少ないとされています。
※5 出没状況は木の実の豊凶、気象条件、地域環境などにより毎年変動します。
参考文献
環境省「特定鳥獣保護・管理計画」
環境省「クマ類保護及び管理に関するガイドライン」
林野庁「クマによる被害対策」
国立研究開発法人 森林総合研究所
各都府県のツキノワグマ管理計画・出没情報
日本哺乳類学会「日本の哺乳類」